(CX5)
松木川を遡行すると謎の真っ黒い山肌がある。
これは溶鉱炉から出たスラグだ。
足尾銅山の精錬所から出たスラグはぼた山山頂まで引かれたロープウエイで山頂に運ばれる。
そこから廃棄された真っ黒いスラグの山だ。
当然足尾銅山が閉山されたのでこれらの設備無くなった。
しかしぼた山は現在も残っている。
ロープウエイの足場も残っている。
さっきからトラックが走っている。
砂利を採取しているようだ。
これは砂利を篩にかける機械。
手前の山が砂利だ。
ぼた山に残された建屋は錆びついて真っ赤だ。
廃棄されてから何年経つのだろう。
大平山が近くなってくる。
しかし大平山が側である右側には鹿除けのフェンスが張られており、人の侵入を阻んでいる。
両側は険しく高い山が迫っている。
凄い風景だ。
100年ほど前はこの辺りに村があったらしい。
この大渓谷の山には木が生えていない。
銅の精錬所の出す煙が草木を根絶やしにした。
煙は亜硫酸ガス。
渓谷は風の通り道だったので木が枯れた。
この公害の事を「煙害」と呼ぶそうだ。
やっと大平山に取り付けそうな尾根筋が見えてきた。
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