(CX5)
朝五時に起きる。
仕事の疲れが残る体を無理やり寝床から引きはがす。
少々朦朧とする頭で前日に用意しておいた着替えを黙々と着る。
もちろん朝食など食べる気もしもない。
いかにも不機嫌な仏頂面で車に乗り込みセルを回す。
坂本宿に到着するころには少々目も覚めて、食欲も取り戻す。
まずはパンをコーヒーで流し込む。
そして登山の準備を黙々と完了させて冷たい空気の中歩を進める。
辺りはまだ闇の中。
手に持ったフラッシュライトの光が唯一の頼りだ。
そして毎年冬に登っている中山道旧道の入り口に到着した。
前日は雨が降り今日は晴れ。
幸いそれほど下の状況は悪くない。
ともあれ雨の後冷え込んで足元がぬかるんだ状況に陥ってはいない。
中山道は最初に300mほど一気に登る。
この初めの高低差は体が起きていない状況では堪えるものがある。
しかし何度も歩いているからこそ、体力の配分を考慮。
息が上がらない程度に効率よく歩を進める。
じきに日が上りはじめ、フラッシュライトは要らなくなる。
眼下に広がる坂本宿。
これも見慣れた光景だ。
ここから軽井沢まで単調な峠道が続く。
はずだ・・・・・・・・・。
つづく
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