(CX5)
前日降った雨のせいで積雪はみぞれ上になっている。
踏みしめるとじゃこじゃこがりがりとなんとも興の冷める音がする。
反面歩を進めるには都合がすこぶる良い。
雪に足を囚われないからだ。
百何十年か以前に人が溶岩で作った石垣。
他にも墓石があるはずなのだが見つけることは叶わなかった。
おもへば私一人で登山をするのは久しぶりだ。
先週の碓氷湖が木々にさえぎられながら眼下にかろうじて映る。
多少の降雨で溶けるほど軟弱な凍結ではないようだ。
黙々と歩く、パートナーは獣の足跡ばかりだ。
もちろん単独登なので会話をする相手もいない。
私は何を考えるのかと言うと交錯する獣道とか、獣種類とか、はたまた時たま残される糞を見て。
獣の行動や食性冬の厳しさを考えたりする。
いや、正確には思考がループしている。
無意識の思考によってぐるぐる回っている。
眼下にめがね橋を見つける。
そしていつも思う。
中山道と旧碓氷峠が途中で繋がらないのかと。
最近のアペンドではアプトの道の終点とコネクトしてくれれば最高。
そうすればかなり楽しいルートとなりそうだ。
つづく
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